イタリアファッションの起源と特徴は?

イタリアファッションの起源と特徴は?

カヴァリエリ リング ジャケパンの男性

今注目のイタリアファッションですが、その起源はどこにあるのでしょうか?
これについては雑誌等ではそれほど解説されませんが、今回はちょっと踏み込んでイタリアファッションについて考えてみましょう。

イタリアファッションが生まれた背景

イタリアはヨーロッパでも南に位置し、200年も前にはまだまだ後進国と言われていました。そもそもこの時代には、イタリアという国さえ存在せず、様々な都市国家が分立している状態だったのです。そんな時代に、最も進んでいた国がイギリス。イギリスは時代を先導する世界のリーダーでした。

そんなイギリスでは、ファッションに関心の高い国王が相次いで就任したことにより、宮廷を中心に優れた服飾文化が生まれていました。この時代は産業革命で生地の生産量も爆発的に増え、ファッションが栄えたのは必然とも言えました。

もともと宮廷の文化であった服も、だんだんインテリ層へと広がっていきます。
しかし全てのスーツをイギリスで仕立てるわけにはいきません。ロンドンのテーラーは国王や宮廷と密接な関わりを持ち、その関係での仕事をしていたために、仕立て代は非常に高額だったのです。

そこで注目されたのが、南ヨーロッパの仕立てです。もともとフランスの影響を受けて独自の仕立て文化が生まれていたピエモンテ州で、イギリス式のスーツが作られるようになるまでに長い時間は掛かりませんでした。

さらにイタリアには多くのイギリスの貴族がバカンスや、発掘された古代ローマ遺跡の見学などを目的に訪れていました。彼らと現地のサルトリアによって、イタリアの仕立て文化は驚くほどの進化を遂げます。

BRITISH ELEGANCE IS STILL ALIVE IN ITALIAN CULTURE.

独自進化していったイタリアファッション

イタリア ナポリ 海

イタリアは芸術の国です。すでに後進国となっていたとはいえ、かのルネッサンスの起こった土地であり、その前にはローマ帝国であった土地です。そこには非常に優れた感性を持つ職人も、数多く存在していました。
すると、冷涼な気候に合わせたイギリスの仕立てを、イタリア流にアレンジしようという動きが出てきます。それが、イタリア仕立ての始まりです。

さらにイタリアは先ほども紹介したように、数多くの都市国家が集まった集合体に過ぎませんでした。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世によってイタリア統一が成された後でも、それぞれの都市の個性は失われて画一化されるどころか、より一層その特異性を際立てていたほどです。

すると今度は、イタリア仕立てというものも存在しなくなってしまいました。
北イタリアのミラノにはイギリスの仕立てに色濃く影響を受けたミラノ仕立てが生まれ、芸術の街フィレンツェにはフィレンツェらしいカーブとシンプルさにエレガンスを見いだすフィレンツェ仕立てが出来上がりました。

さらに特徴的なのはナポリ仕立てです。
アフリカにも似た暑い気候を持つ地中海都市でありながら、新古典主義の中心地となって高い文化度を誇ったナポリには、最高のエレガンスと、限りない軽快さという相反するものを融合させた、独特の仕立てが生まれたのです。

ナポリの服はより人間の動作にフォーカスしていたため、着心地の良さや動きやすさ、人が着たときの美しさなどが特徴となりました。
また南イタリアは北イタリアに比べ経済発展が遅れていたこともあり、贅沢にも全てを手縫いで行うという仕立て方法が一般的となりました。

各地方の代表的なサルトリアは以下の通りです。

イタリアの代表的な仕立て屋

ミラノ仕立て

Sartoria Campagna サルトリア・カンパーニャ
Domenico Caraceni ドメニコ・カラチェニ(上と同一)
Franco Prinzivalli フランコ・プリンツィバリー

フィレンツェ仕立て

Sartoria Seminara サルトリア・セミナーラ
Liverano & Liveranoリベラーノ・リベラーノ
Luigi P Cappelliルイジ・パオロ・カペッリ

ローマ仕立て

Brioni ブリオーニ
Gaetano Aloisio ガエターノ・アロイジオ
T&G Caraceni トミー&ジュリオ・カラチェニ

ナポリ仕立て

Rubinacci ルビナッチ(ロンドンハウス)
Antonio Panico アントニオ・パニコ
Sartoria Costantino サルトリア・コスタンティーノ
Gennaro Solito ジェンナーロ・ソリート
Sartoria Ciardiサルトリア・チャルディ
Sartoria Sabino サルトリア・サビーノ
Sartoria Dalcuore サルトリア・ダルクォーレ

シチリア仕立て

Sartoria Crimi サルトリア・クリーミ

他にもたくさんの魅力的なサルトリアがありますが、割愛させていただきます。

イタリアファッションの色彩と美的感覚

イタリアファッション ジャケットとオリーブ カヴァリエリ

イタリアファッションを語る上でもう一つ欠かすことが出来ないのが、イタリアの色彩と美的感覚です。
私たち日本人がイタリアファッションに惹きつけられる大きなポイントが、彼らの色彩です。大胆に組み合わされる個性的なカラー、イタリアの生地だけが持つ美しい発色、そしてイタリア革製品の表情豊かな風合い。これらが絶妙にマッチして、イタリアにしかない独特のコーディネートが生まれています。

こういった色彩感覚は、イタリアならではです。イタリアファッションの元となったイギリスにも、もちろん独自の色彩感覚はあります。しかしイギリスでは色彩といえばネクタイやシャツで取り入れることが多く、スーツやジャケット自体に色彩を求めることは多くありません。
ちょうどロンドンのシックな色の街並みの中で、お店のショーウィンドウの中だけが色彩豊かにコーディネートされているように、ダークでクラシカルな色合いのスーツの中で、ネクタイとシャツだけが鮮やかに着こなされるのが、イギリス紳士の服装の常です。

しかしイタリアは色鮮やかです。イタリアを感じさせる澄んだ空や地中海の青。広葉樹林やオリーブのグリーン、ブラウン。モルタル造りの明るいベージュに、焼きレンガのオレンジや赤。海岸沿いの街並みのパステルカラー。このように、イタリアが実に様々な色に満ちあふれているからこそ、イタリアファッションは色鮮やかなのです。

イタリアのさんさんと降り注ぐ日光の元に好まれるスーツは、ネイビーやチャコールだけでなく、ベージュやライトグレー、休日であればアイボリーや水色などになるのです。

いかがでしょうか。
今回はイタリアファッションの起源や特徴について紹介しました。
イタリアの各都市に息づくサルトリア文化、そしてイタリアならではの色彩。言葉では語り得ない魅力を、ぜひ体感してみてください。

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南イタリアの至宝、ナポリ仕立てシャツ魅力とは? 隠れた人気ブランドも紹介

南イタリアの至宝、ナポリ仕立てシャツ魅力とは? 隠れた人気ブランドも紹介

フランチェス・コメローラの工房 シャツ

イタリアには非常に多くのシャツブランドが存在します。まさにシャツブランドと呼ぶべき大きなブランドはもちろんのこと、むしろシャツ工房と呼ぶのがふさわしい小さなブランドまで、実に様々です。しかしそれらのシャツブランドには共通して言えることが一つあります、それは「世界を魅了している」こと。
イタリアのシャツへの人々の思いは特別です。
軽やかで柔らか、イタリアならではのしなやかで色鮮やかな生地選びと極上の仕立てが相まって、イタリアのシャツは他のどの場所でも見られないような独特な世界観を持つ逸品となっています。

そんな中でも特に個性的と言われ、ファッション好きの男たちが愛してやまないのがナポリのシャツ。
手縫いを生かしてナポリのサルトリアが生み出す芸術品のようなジャケットやスーツは、ナポリ仕立てと呼ばれてつとに有名ですが、最近ではシャツもまた非常に注目され始めています。

何よりも特徴的なのは、ハンドメイドすなわち手縫いでシャツを縫い上げていること。袖付けのみ手縫いであったり、ほぼミシンを使わない丸縫いに近いものであったりとその程度はブランドにより様々ですが、手縫いで仕立てられるシャツというのは、世界でも希有な存在です。
今回はそんなナポリ製シャツの魅力に迫っていきましょう。

ナポリのシャツは、天使の羽衣

アンナ・マトッツォ シャツ マニカカミーチャ width=

ナポリで作られるシャツと言っても、シャツ工房によって仕立ては千差万別。ナポリという都市に息づく多様性がそのまま服に込められているかのように、ナポリのシャツも多様です。しかし共通していることが一つ、それはまるで羽のように軽い着心地であるということです。

ナポリのシャツには、様々な場所にギャザーが入っていることが多いですが、これはギャザーを取ることによって、人が動いたときの可動域を広げているからです。もちろん見た目に美しいということも忘れてはいけませんが。

その他にもナポリのシャツは常に動きを見据えてデザインされていることが見て取れます。
例えば袖の長さ。我々日本人が「イタリア人は手が長い」と言いながら勘違いな注文をしない限りは、ナポリのシャツはずいぶんと余る袖の長さで仕立てられることが殆どです。

袖口でカフのボタンを留めると、手首のところにたっぷりとした生地のふくらみが生まれます。これが実にエレガントな雰囲気なのですが、実はこれも動きやすさのため。
長過ぎるように見える袖の長さは、人が腕を上にあげたときにぴったりになる長さです。すなわち、腕をぶんぶんと振り回したとしても、ナポリ仕立てのシャツでは袖が突っ張ってしまうことがないのです。

またナポリのシャツは他の地域のシャツに比べ、アームホールが小さい場合が多いですが、それも身体の動きに合わせてシャツがついてくるように工夫された結果です。
このようにして様々な工夫が加えられたナポリのシャツは、まさに天使の羽衣とも言うべき着心地の軽さ、柔らかさを持っています。

なぜナポリの人々がこれほどまでに着心地を無心に追求しているのか?それはロンドンやミラノに比べて、ナポリが非常に暑い場所だからでしょう。暑いところで着心地の悪いものを着るのは大変なことです。

そのシャツの美しさが分かれば、ナポリ人

shirts

さて、先ほども書いたようにナポリのシャツには至る所にギャザーが寄せられています。まるでレディースのクチュール仕立てのように、色々なところが波打っているのです。
またナポリのシャツは手縫いで仕上げられている部分が多いために、どこもかしこも波打ったような、しわの寄ったような独特な雰囲気になっています。手縫いのステッチはミシンのように連続せず、いくらピッチを狭くしても隙間があるため、そこで生地のしわが発生するのです。
これらを美しいと感じるのであれば、あなたはナポレターノでしょう。

ナポリ仕立てのジャケットやスーツにも言えることですが、ナポリで仕立てられる服の多くは、ハンガーに掛けたときは「端整」とは言えない外見となっています。そこにはシワがあり、ムラがある。しかし目が慣れてくると、それがこの上なくエレガントに見えてくる。人の動きを考えたことで生まれたその雰囲気に、日本の侘び寂びに近い優雅さを感じるのです。

ナポリの代表的なシャツブランド

・Luigi Borrelli ルイジ・ボレッリ …… 最も有名なカミチェリアで、世界的なブランド。
・Barba バルバ …… キートングループのシャツブランド。袖付けのみ手縫いで行うが素晴らしい着心地。
・Anna Matuozzo アンナ・マトッツォ …… ナポリで伝説的と言われる女性職人のカミチェリア。
・Luciano Lombardi ルチアーノ・ロンバルディ …… 最も伝統的なナポリシャツとも言える、シャツ工房。
・Buonamassa ボナマッサ …… ほぼ全て手縫いで仕立てられるナポリらしいシャツ。
・Piccolo ピッコロ …… ナポリのキアイア通りにあるスミズーラ専門のシャツ工房。素晴らしい出来映え。
・Vincenzo di Ruggiero ヴィンツェンツォ・ディ・ルッジエーロ …… 最近セレクトショップで人気なブランド。
・Francesco Merolla フランチェスコ・メローラ …… ナポリのシャツ工房。個体差があるが、着心地の良いシャツ。
・Ciriello チリエッロ …… 大手ブランドの下請けをしている実力派のシャツブランド。
・Errico Formicola エッリコ・フォルミコラ …… 新しいブランドだが、ハンドメイドラインが美しい。
・Finamore フィナモレ …… 最近はカジュアルラインに力を入れている有名シャツブランド。
・Salvatore Piccolo サルバトーレ・ピッコロ …… カジュアルで独特なシャツで人気のシャツブランド。

シャツも展開している有名ブランドは以下の通りです

・Cesare Attolini チェザレ・アットリーニ …… ナポリを代表するサルトリア・ブランド。シャツも大変素晴らしい仕上がり。
・Kiton キートン …… 最高級の既製服ブランド。ややゆったりとしたシルエットのシャツを、手縫いを駆使した仕立てにて。
・Rubinacci ルビナッチ …… ナポリ仕立ての聖地と言われるサルトリア。キアイア通りのブティックでシャツもオーダーができる。

いかがでしたか。
今回はナポリ仕立てのシャツについてご紹介いたしました。
もし一度ナポリのシャツを手に取れば、その美しさに魅了されることでしょう。

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ナポリ仕立てのスーツはなぜこれほどまでに人気なのか? (有名サルトリア一覧)

ナポリ仕立てのスーツはなぜこれほどまでに人気なのか

カヴァリエリのリング ナポリ仕立てのスーツ 男性

最近もっとも注目されているスーツといえば、やはりナポリ仕立てのスーツです。
もともと高温多湿な日本の気候に、地中海都市ナポリで作られる軽快なスーツは相性が良く、日本人がナポリ仕立てのスーツを着る理由としては、それだけでも申し分ないでしょう。

しかしこれほどまでにナポリ仕立てのスーツが人気となり、市場にはナポリ仕立てを模した量販スーツが大量に出回っているのは、ナポリ仕立てに人を強烈に惹き付けるような魅力があるからに他なりません。
今回はそんなナポリ仕立てならではの魅力に迫っていきましょう。

ヨーロッパで最も「生きた」都市、ナポリ

イタリア ナポリの風景 カヴァリエリ

ヨーロッパという世界は、多かれ少なかれ過去と歴史の世界です。歴史の中で作り上げられてきた美しい建築物や遺産が街並みを作り、それがそのまま諸都市の魅力や個性となって、世界中から人を呼び寄せているのです。
しかし、そういった都市の中には、過去の遺産ではなく現在に生きるカルチャーで人々を呼び寄せている都市もあります。

例えばスペイン南部のバルセロナ。バルセロナはガウディが数々の美しい建築を残した場所であり、ピカソや様々な偉大なアーティストが活躍した街です。そこには今なお数多く老若男女の芸術家が集まり、その芸術家達がバルセロナという街を非常に文化度の高いアーティストシティへと塗り替え続けているのです。
そしてそのような生きた都市の中にあって、群を抜いた存在感を放つ都市があります。それがナポリです。

ナポリは、イタリアの中でも異彩を放つ都市で、イタリア人にとっても「危ない」「乱雑だ」という声や「美しい」「素晴らしい」という声で意見の別れる特殊な場所です。
このナポリという街にはもちろん歴史の中で作られた遺跡なども残っていますが、フィレンツェに残るルネッサンスの芸術や、ローマに残る古代の遺産のようなボリューム感はありません。
しかし、ナポリには今なお生き続ける文化があるのです。

例えばピッツァ。日本人にとってはイタリア料理というイメージのあるピッツァですが、ヨーロッパの人々にとってはナポリ料理。据え付けのピッツァ釜でこんがりと焼かれる、厚くもちっとしたシンプルなピッツァは、その奥深さで人々を魅了してやみません。誰が呼ぶわけでもないのに、ピッツァ作りの修行をするために世界中から優秀なピッツァ職人が集まってくるほどです。

同じように、世界中が注目しているナポリの文化がナポリ仕立てです。
イタリアに発展したスーツのテーラリングをさらにナポリの独特の発想と手縫いの多様によって進化させたナポリ仕立ては、世界に唯一他に存在しない特異な仕立て方法となりました。このナポリ仕立ては世界中のスーツやジャケットを生み出す人々にとってのスパイスとなって、メンズクロージング世界への影響力を日に日に強めています。

それでは、どうしてナポリ仕立てはそこまで注目されているのでしょうか。

ナポリ仕立てだけのエレガンス

ナポリ仕立て スーツスタイル 男性

ナポリ仕立てには、実に様々な特徴があります。とはいえナポリ仕立てを語るときに、その仕様を列挙していくのは最善の方法とはいえないでしょう。なぜならナポリ仕立てが世界から絶賛されている最も大きな根拠は、その雰囲気と多様性にこそあるからです。

本物のナポリ仕立ては、ミシンを殆ど用いず、手縫いによって仕立て上げられます。サルトリアは数人のスタッフを雇っていたり、他のサルトリアやボタンホール専門、パンツ専門といった得意分野を持つ下請けの職人に外注をしたりします。そうして手間を掛けて仕立てられるスーツやジャケットは、全てにおいて人の手が動いており、そのおかげでまるで人に寄り添うような柔らかさを持っています。そしてその手縫いの柔らかさは、まさに雰囲気そのものとなって外見に現れます。

ナポリにあるのは本物のエレガンスです。服を服としてだけ捉えるのではなく、その人の生き様すなわちライフスタイルの一環として捉える。より詳しく見ていけば、ハンガーに綺麗に掛けられた服ではなく、その人がお洒落に着こなし、その人に合わせて軽やかに動き周り、景色と美しいコントラストを成している服にエレガンスを感じるのが、ナポリの文化なのです。

さらにナポリ仕立ては雰囲気からぐっと距離を縮め、その着心地で人々を魅了するでしょう。

構築的で無駄の無いミラノ仕立て、まるでデッサンで描いたように曲線的で美しいフィレンツェ仕立て。ナポリ仕立てはそういった他の都市の仕立てに比べると、スタイルに一貫性がありません。サルトリアによっては非常にマスキュリンで男性的なシルエットにもなるし、逆に女性的でなで肩なシルエットにもなります。しかし一貫しているのは、手縫いによる柔らかなステッチワーク、ハンドワークにしかなし得ないボリューム感、それぞれが独自の考えを持って生み出す複雑な立体、そしてそこから生まれる極上の着心地なのです。

ありとあらゆる民族が交錯し、様々な建築様式が乱立する街。多様性が支配するナポリという都市に生まれ育った人々は、どんな常識にも捕われない柔軟な発想力を持っています。そしてその発想力がサルトリアの奇抜とも言えるような仕立てを、サルト(職人)の数だけ生み出しているのです。

この奥深い魅力をもった仕立て服、最近では日本でも容易に体験することができるようになりました。
ぜひ一度、体験してみてください。

ナポリの代表的なサルトリア

Rubinacci ルビナッチ(ロンドンハウス)
Antonio Panico アントニオ・パニコ
Sartoria Costantino サルトリア・コスタンティーノ
Gennaro Solito ジェンナーロ・ソリート
Sartoria Ciardiサルトリア・チャルディ
Sartoria Sabino サルトリア・サビーノ
Sartoria Pirozzi サルトリア・ピロッツィ
Sartoria Dalcuore サルトリア・ダルクォーレ
Orazio Luciano オラッツィオ・ルチアーノ
La Vera Sartoria Napoletana ラベラサルトリアナポレターナ(同上)
Sartoria Caliendo サルトリア・カリエンド
Antonio la Pignola アントニオ・ラ・ピニョッラ

また、以下の二つはナポリ仕立てらしさを非常に巧みに表現した既製服ブランドです。

Cesare Attolini チェザレ・アットリーニ
Kiton キートン

ちなみに、当ページで着用しているスーツやジャケットは以下の通り。

Antonio Panico アントニオ・パニコ(1枚目スーツ)
Sartoria Ciardi サルトリア・チャルディ(2枚目スーツ)
Kiton キートン(下ジャケット)

ナポリ仕立てを讃えた指輪、NAPOLETANA

ナポレターナ シルバーリング カヴァリエリ

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イタリアブランドのネクタイの特徴、エレガンス、その魅力とは?

イタリアブランドのネクタイの特徴、エレガンス、その魅力とは?

ネクタイ イタリア製

日本では幸いなことに、非常に多くの人がネクタイを身につける機会を得ています。
最も、これを苦痛と取るかチャンスと取るかは人によりけりですが、せっかく身につけるのであれば、最上級のお洒落を目指してネクタイを身につけたいですよね。

そうしてネクタイを選び始めると、自然と大きな選択肢になるのがイタリアのネクタイ。イタリアには数多くのネクタイブランドが存在していて、その数はスーツの聖地と言われるイギリスを遥かに凌いでいます。
どうしてこれほどまでにイタリアのネクタイブランドが人気なのでしょうか?

今回はイタリアのネクタイに宿るエレガンスについてを紹介していきましょう。

イタリアのネクタイはなぜお洒落か?

タイユアタイのネクタイ カヴァリエリ

それでは、イタリアのネクタイは他の国のネクタイと何が異なるのでしょうか。まずはここから考えてみましょう。
ネクタイにはもちろん決まった形がありますが、そのディテールに関しては、実は意外と自由度が高いです。
使うファブリックや裏地、幅や長さの選択から始まり、縫い方、芯地の使い方に至るまで。こういったディテールがわずかに違うことによって、ネクタイの表情は驚くほど変化します。

イタリアのネクタイにはある共通点が見つかります。
それは非常にしなやかで、軽快であること。そしてラフな手縫いによって、絶妙な締め心地を実現していること。
もちろんブランドやネクタイ個々によって特徴はありますが、イタリアのネクタイは軽快さやしなやかさを重視したもの、手縫いの柔らかさを存分に生かしたものが大変多いことに、誰もが気づくでしょう。

とはいえ、イタリアのネクタイの軽快さ=生地の薄さというのは間違った方程式。
イタリアのネクタイに用いられる生地は、薄くさらりとした生地から、肉厚でボリューム感のあるシルクまで実に様々です。

意外にもベーシック好きなイタリア人

ネクタイ クラシック柄 カヴァリエリ

日本人にとっては意外で、驚くべきことがあります。それは、イタリア人はベーシックな色柄が好みだと言うこと。日本人のイメージからすると、イタリア人といえば、派手な色彩で独特な柄のものを身につけている、エキセントリックなイメージがあるかもしれません。

確かにイタリア人の色彩感覚が非常に大胆なのは確かですが、ことネクタイに至っては、イタリア人はソリッドのネイビーやグレー、ブラウンそして小紋柄などのクラシカルで控えめな模様を好む人が多いのです。

ちなみに派手なネクタイが好きな人々といえば、これまた意外ですがイギリス紳士です。最近注目されているペンローズのネクタイは勿論のこと、ターンブルアッサーのネクタイを見ても、非常にユーモアに富んだバリエーションですね。

日本に入ってくるイタリア製ネクタイは、日本人がセレクトした生地で作られているものが非常に多いです。そのため、イタリアブランドのネクタイだからと言って現地のエレガントな人々が身につけるようなネクタイであるとは必ずしも言い切れないのが実情です。

もしイタリア人のようなエレガントなネクタイを身につけたいのであれば、おすすめはやはりソリッドや小紋柄。小さめで控えめな柄と、一色ないしは二色からなるシンプルなカラーリングこそが、イタリアらしいネクタイです。

イタリアの代表的なネクタイブランド

ブリオーニ ネクタイ カヴァリエリ

まずはネクタイ専業ブランド。

E.Marinella マリネッラ …… ナポリのネクタイブランド。最もエレガントと言われる名品。
TIE YOUR TIE タイユアタイ …… 最近非常に注目されているセッテピエゲで有名なブランド。
Franco Minucci フランコミヌッチ …… 同上。タイユアタイのオーナーの名前を関したブランド。
MATTABISCH マタビシ …… 最高級紳士服のキートンが展開するブランド。
STEFANO BIGI ステファノビジ …… 上質なシルク使いで、イタリアでも人気な定番ブランド。
Franco Bassi フランコバッシ …… ハイセンスな色柄で人気な、ハイエンドネクタイブランド。
F.Marino フランチェスコマリーノ …… 柔らかな手縫いにこだわるナポリのネクタイブランド。

以下、ネクタイも人気なブランド。

BORRELLI ボレッリ
Kiton キートン
Cesare Attolini アットリーニ
Brioni ブリオーニ
Battistoni バッティストーニ
Stefano Ricci ステファノリッチ
LIVERANO&LIVERANO リベラーノ

イタリア流のネクタイの結び方

イタリア製 スーツ カヴァリエリ

さて、イタリアの素晴らしいネクタイを手に入れたとしても、結び方に工夫がなければイタリアンエレガンスを手に入れることはできません。なぜならイタリア人は、あるアイテムを自分流に着こなすことに長けているからです。しかしイタリア人のようにネクタイを結ぶために大切なことは一つ。
誰がなんと言おうと、自分のスタイルを持つこと。
あるファッションリーダーがどんな結び方をしている、有名なコーディネーターがこんな結び方を推している。そんなことは関係がありません。それらを真似して従うのは、エレガントではなく無難主義です。
自分自身で試行錯誤し、自分が美しいと思った造形を信じること。これこそがイタリアンエレガンスの始まりです。

さあ、今すぐシャツの襟を建ててネクタイを通し、あなただけのノットとディンブルを作り上げましょう。

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